高桑 圭

このたび僕、高桑 圭はGREAT3を脱退する事をここに発表します。

僕自身の音楽に対する気持ちがGREAT3とは別の方向に向かっているのが理由です。

この結論は数年前から自分の中で出ていました。

今回、活動を再開するにあたってメンバーと話し合い、今の気持ちを素直に伝えました。

今までGREAT3の高桑 圭を応援してくださった皆様にはとても感謝しております。

現在僕が音楽を続けられるのも、GREAT3での経験、様々な出会い、

そしてみんなの愛とサポートのおかげだと思っています。

ありがとう。

とてもクリエイティブで素晴らしい時間をメンバーと共に過ごさせていただきました。

最後に片寄明人、白根賢一、両氏は僕にとってこれからも大切な人です。

本当に今までありがとうございました。

高桑 圭



片寄 明人

GREAT3として2012年夏から、もう一度活動を再開します。

この数年間は自分にとって本当に色んな物事を深く考えさせられた日々でした。
価値観が大きく変わろうとしている時代の空気、大自然への畏れ、何人もの友人が突然にこの世から旅立って行く、
そして時には自分よりも年若い友人たちの突然の逝去に、心をむしり取られるような思いを抱えながらそれを見送る。
そんな30代までの自分には想像もつかなかった経験を経て辿り着いたのは、たとえ明日死んでも後悔しないように、
いま生かされていることに感謝して、この瞬間を生き切るしかないという心境でした。
「自分の命には限りがある」という当たり前の事実と生まれて初めて真剣に対峙したときに、
僕はGREAT3をやっていないことを最期の時に後悔するであろうことにも気がつけたのだと思います。

そして残念ながらこの再始動を機に、高桑圭はメンバーを脱退することとなりました。
その理由はきっと彼自身の言葉で語られることでしょう。

特に活動を休止しようと話しあったわけでもなく、ただ気がつけば矢のように過ぎていってしまった8年間。
昨年の10月、高桑圭と本当に久しぶりに二人きりでお酒を飲みながら、5時間近くに渡りGREAT3について話しました。
もう一度3人で演奏したい想いを僕は伝え、彼は自分の中でGREAT3としての活動がもう終わっていることを明かしてくれました。
その瞬間さすがに色んな感情が溢れだしてきて、いい年をして涙が零れそうになってしまったことを僕は隠さずにここに記しておきたい。

いみじくもその時、彼が語ってくれたように「バンドとは恋愛みたいなもの」なのかもしれません。
彼の中でそれが終わったことであるならば、たとえ僕が何を言っても顔しかめさせるだけのこと。
僕らは親友として絡まりながら音を奏で、時が流れゆく中で交差して、そして今は離れて行こうとしているのでしょう。

一つのバンドが存在するとき、そこにはたくさんの奇跡が重なり合っています。
そのバランスはとても儚く、いつどこで崩れてしまうかは神のみぞ知ること。だから好きなバンドのライブは見逃しちゃいけない。
20代の頃、僕は永遠にこの3人で音楽を続けて行けるものだと疑いもなく信じていて、その奇跡に気がつくこともありませんでした。
諸行無常、永遠なんてことはありえない。だからこそ、この世界は素晴らしいのです。

最後に二人で飲み明かしながら、彼に心の底から感謝を伝えられて本当によかった。
今の自分は高桑圭がいなかったら存在しません。
彼との共作でしか作ることが出来なかったであろう名曲をいくつも残せたことを今は有難く思っています。
キヨシ、本当にありがとう。

そして白根賢一とも二人で何時間も話しました。
彼と高桑圭とはそれこそ幼なじみの仲。きっと色んな想いがあったことだろうと思います。
それでも、片寄の詞の凄みをGREAT3の曲でもう一度見てみたい、それは今この時代にこそ必要なことだと思う。
そう熱く語ってくれた彼の想いを受け、僕は賢一と二人でGREAT3を再始動させることを決心しました。

今はただ、高桑圭がいない悲しみを受け入れ、白根賢一ともう一度音を奏でられる喜びを感じています。

GREAT3というバンド名は洒落で付けたようなものでした。自分達のことを偉大な3人だなんて思っていた訳では当然無く、
むしろGREATでもなんでもないダメダメな3人だからトンチが効いてていいかな、ぐらいに適当な気持ちで。
でも今となってはなかなかあり得ない3人組だったな、と心から微笑ましく思えます。
そしてこんな3人を長年愛してくれた皆さんに何よりも感謝の想いを伝えたいのです。
昨年秋からChocolat & Akitoやソロの弾き語りで日本中の街を廻り、初めて近い距離で皆と出逢うことが出来て、僕は実感しました。
あなたたちに僕らは支えられていたことを。

この先、新メンバーが加入するのか、それとも賢一と二人だけで続けるのか、それは今のところまだ何も言えません。
決まっているのは、新しいベーシスト、そしてギターに長田進、キーボードに堀江博久を迎えた布陣でステージに立ち、
9年振りとなる新作のレコーディングに入ることだけです。

新生GREAT3の音楽がどんなものになるのか、期待と不安の両方が心の中にあります。
ただ8年振りにスタジオでGREAT3の曲を当時より数段強力に進化した賢一のビートに乗って全力で演奏したとき鳥肌が立った、
そして言葉も音もより一層の鋭さを増して感じられた。その事実に僕は賭けてみようと思うのです。

たとえクズのような音楽しか出来上がらないとしても、それでも僕はこのままGREAT3を終わらせることだけはしたくない。
GREAT3でしか出来ない表現が自分にはある。それを追い求めながら僕は死んでいきたい。これが終わりの始まりだとしても。

すべては覚悟の上。もう失うことは恐くないのです。
すでに日々新たな奇跡がいくつも重なりつつあります。
どうか一人でも多くの人が一緒にこの先を見届けてくれますように。

GREAT3 片寄明人 2012.5.23



白根 賢一

また荒れ狂った海に出ます。

なにとぞよしなに。

白根 賢一